重度心身障害児におけるリハビリテーションの必要性
子どものリハビリテーションは、年齢や運動レベルなどで行ってる内容は違ってきます。
「リハビリテーション=歩けるようにするため」だけのものではありません。
脳性麻痺児や重度心身障害児にとって、リハビリは体を守り、呼吸や食事を助け、元気に学校やデイサービスなどに通い、日常生活を安全に過ごすための大切な支援の1つです。
なので、子どものリハビリの目標・ゴールは「たくさんの経験や体験が出来る様」に、子どもたちの身体を整え成長を見守る事だと考えています。
特に成長期の子どもの身体は日々変化します。もちろん良い方向だけに変化すれば良いなあと思いますが、成長に伴い「緊張が強くなってる、体が硬くなってる、姿勢が崩れやすくなってる」などご両親や学校の先生から聞かれる事が増えてきます。これが二次障害です。
二次障害による変化に合わせて関わることで、その子らしい生活を支えることができると考えています。
姿勢と関節を守ることが生活のしやすさにつながる?
重度心身障害児では、同じ姿勢が長く続きやすくなります。自分で寝返りをしたり、座り直したりすることが難しい場合、体の一部に負担が集中します。
その結果、次のような問題が起こりやすくなります。
関節がかたくなる
股関節や背骨に負担がかかる
体が反りやすくなる
座る姿勢が崩れやすくなる
呼吸や食事がしにくくなる
皮膚トラブルが起こりやすくなる
リハビリでは、関節を無理なく動かす練習や、筋肉の緊張をやわらげる姿勢づくりを行います。また日常生活で無理のない姿勢を提供するために、ベッド上でのクッションの使い方、座位保持装置の調整なども含まれます。
ここで大切なのは、「正しい姿勢」を一つに決めつけないことです。子どもによって楽な姿勢は違います。食事のとき、遊ぶとき、休むとき、移動するときで適した姿勢も変わります。
リハビリの専門職は、体の動きだけでなく、表情、呼吸、筋緊張、疲れやすさを見ながら、その子に合った姿勢を探します。良い姿勢は見た目の問題ではなく、呼吸しやすい、飲み込みやすい、周囲を見やすい、介助を受けやすいという生活の土台になります。
呼吸、食事、コミュニケーションにも関わる?
重度心身障害児のリハビリでは、運動だけでなく呼吸や摂食嚥下への支援も重要です。姿勢が崩れると胸郭が動きにくくなり、呼吸が浅くなることがあります。痰を出しにくい子では、体位変換や排痰を助ける関わりが必要になることもあります。
食事では、首や体幹の安定が飲み込みに大きく関係します。座る角度、頭の位置、介助するスプーンの入れ方、食べ物の形態などが合っていないと、むせや疲れにつながります。
リハビリは、機能を訓練するだけではありません。体のサインを読み取り、安心して関われる方法を増やす支援でもあります。
大切なのは、支援をばらばらにしないことです。たとえば、食事姿勢の調整は、理学療法士だけでなく言語聴覚士の視点も必要です。学校での座り方は、教員や保護者との共有が欠かせません。
支援の目標も、専門職だけで決めるものではありません。「楽に座って給食を食べたい」「通学中に疲れにくくしたい」「好きな遊びに参加したい」など、生活に根ざした目標があると、リハビリの意味がはっきりします。
子どもの状態は日によって変わります。体調が良い日もあれば、眠りが浅く反応が少ない日もあります。短期的な変化に一喜一憂しすぎず、長い目で見て体を守り、生活の質を高めることが大切です。
リハビリテーションは将来の可能性を広げる?
そして最後に、脳性麻痺児と重度心身障害児にとって、リハビリは「できないことを直す」ためだけのものではありません。体を守り、楽な姿勢をつくり、呼吸や食事を支え、気持ちを伝える方法を増やすための支援です。
目に見える変化がゆっくりでも、意味はあります。関節がやわらかく保てること、楽に眠れること、むせが減ること、座って周囲を見られること、介助する家族の負担が少し軽くなること。どれも生活に直結する大切な成果です。
リハビリは、子どもだけが頑張る時間ではありません。専門職と家族が一緒に、その子に合った過ごし方を探していく時間です。成長に合わせて見直しながら、無理なく続けることが、将来の安心につながる土台となります。
以上が重度心身障害児のリハビリテーションの必要性でした。
「みらいと」では理学療法士が3名在籍しています。そして、小児理学療法のみやってきた経験豊富なスタッフです。「みらいと」ならではのリハビリを提供いたします。




